トランプ政権による最新の大統領令は、デジタル資産を米国の金融システムへ正式に統合する歴史的な転換点となった。取引所残高が300万BTCを割り込む中で浮上した「戦略的ビットコイン準備金」法案は、市場に深刻な供給不足をもたらしかねない。
米大統領令が示すデジタル資産の国家統合
5月19日、トランプ政権は「金融テクノロジー・イノベーションの規制枠組みへの統合」に関する大統領令を発令した。デジタル資産および革新的な決済システムを伝統的な金融サービスに統合することを目的とし、規制プロセスの合理化、参入障壁の削減、フィンテック企業と連邦規制金融機関との連携促進を明文化している。「執行による規制」から「イノベーションの統合」への明確な転換だ。機関投資家にとっての規制リスクは大幅に下がる。
ビットコイン供給ショックの予兆と戦略的準備金構想
ビットコインの供給サイドに重大な変化の兆候が出ている。取引所が保有するビットコイン残高は、2022年の330万BTCから継続的に減少し、現在では約300万BTCまで低下した。投資家がビットコインを取引所から自己管理ウォレットへ移動させており、市場における売却圧力は低下している。
米国議会では「戦略的ビットコイン準備金(Strategic Bitcoin Reserve)」法案が提出され、超党派の支持を得つつある。この法案が可決されれば、国家レベルでのビットコインの買い付けが発生し、取引所残高の減少と相まって、市場はかつてない規模の供給ショックに直面する。ビットコインのMVRVレシオが「機会(Opportunity)」ゾーンに位置していることも長期的なサイクルボトムを示唆しており、現在の価格水準($77,205.07)が重要な転換点になると指摘している。
イーサリアムの活動活発化と価格への影響
イーサリアムネットワークでは、デイリーアクティブアドレス数が過去最高水準の約82.5万を維持しており、ネットワーク利用は活発だ。ただし、この活発さがETH価格に直接反映されるには遅れが見られる。CryptoQuantの分析では、ETHは2026年第3四半期までに1,500ドルまで下落する可能性も指摘されており、ネットワークのファンダメンタルズと市場価格の乖離が続いている。
市場構造の変化と今後の展望
大統領令とビットコインの供給動向は、暗号資産市場の構造に大きな変化をもたらす。規制の明確化は、伝統金融機関のデジタル資産参入を後押しし、RWAトークン化をさらに加速させる。大統領令がフィンテック企業と連邦規制金融機関の協力を促している点は、RWA市場の成長を直接後押しする。
ビットコインの供給ショックは長期的な価格上昇のドライバーになり得る一方、イーサリアムのようにネットワーク活動と価格が乖離するケースもある。投資家はオンチェーンデータと規制動向の両面から市場を読む必要がある。大統領令、国家準備金構想、取引所残高の減少——これだけの材料が重なったことは過去にない。規制と供給の両面から構造が変わるとすれば、今の価格水準が後から振り返られる転換点になる可能性は十分ある。
出典:CoinMarketCap (2026年5月22日), The White House (2026年5月19日), BeInCrypto (2026年5月15日), TradingView/Santiment (2026年3月18日), CryptoQuant (2026年2月7日)
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